宗教裁判展示室

2007年2月26日、28日、4月1日(木) 日本キリスト教団の牧師3名からの圧力文書

〔解説〕
 ・これは、日本キリスト教団内の右派牧師3名から、日本キリスト教団出版局に送りつけられた、抗議および署名の文書です。教団総会議長の文書と同じく、思想・信仰の自由、言論・出版の自由に対する挑戦です。
 ・日本キリスト教団大阪教区の常置委員会で、岡村恒委員(大阪教会)が「各地で抗議の声が起こり、不買運動が広まっている」と発言した「各地の」牧師とは、この合計3名のことです。他、もう1名の牧師が同じ抗議および署名を用意しようとしましたが、じゅうぶんな数が集まらなかったためか、出しそびれてしまっているようだ、との情報も入っています。
 ・この文書の内容は、日本キリスト教団出版局に対し、日本キリスト教団の一出版部門に過ぎない部署として、自由な出版活動ができないように圧力をかけることに目的があることは明白です。しかし、日本キリスト教団出版局は、これまでもさまざまな教派、さまざまな立場や考えの著者の作品を出版してきましたし、教団外の著者の出版物も刊行してきています。その出版・表現の自由を奪うことで、右派の出版局に対する支配権を握ろうとしている下心が見えかくれします。そういう意味では、富田の『信じる気持ち』が教団出版局以外の出版社から出されていれば、このような圧力はかからなかったかも知れません。しかし、教団出版局にとってはこれまでの出版姿勢を揺るがす重大な挑戦であろうと思います。。
 ・このような抗議を受けて、実は教団出版局は、今後の出版契約について、教団の教理基準を設けるべきか検討しました。検討するだけでもすでに圧力に屈していると言えそうですが、じっさいに検討しました。その結果、弁護士からの忠告として、言論・出版の自由を保証する日本国憲法に抵触するとの指摘を受けたそうです。当たり前のことですが。
 ・この文書を教団出版局に送りつけた3人の牧師たちは、いずれも東京のある神学大学の出身者ですが、全員関西地方の教会の牧師です。
 ・3人の牧師たちは、同じ書式を使い回して、この抗議文書を作成しています。その際、ちょっとした字の訂正や、誤字脱字の修正などを行なって、自分用に文書をアレンジしていますが、その差はほとんど些少で、ほぼ同じフォーマットを使っています。それらの些少な差を点検することで、誰が最初にこの文書の雛形を作ったのかがわかります。ここでは、おそらく初版と思われるもの(つまり、最初にこの文書を作成したであろう岡村のもの)を、誤字脱字も含めて忠実に紹介したいと思います。

〔最終更新日:2007年8月25日〕


日本基督教団出版局 御中
       局長 秋山 徹 様

抗議並びに要望

讃主。常日頃、教団の伝道を文書面からお支え下さり、ありがとうございます。

さて、このたび御出版局より出版されました書籍、『信じる気持ち はじめてのキリスト教』(富田正樹/著、以下本書と呼ぶ)を拝見致しました。しかしながら本書には、日本基督教団という全体教会に仕える一牧者として、とうてい看過することのできない内容が含まれており、〔日本基督教団出版局〕の名によって本書が出版されたことは、誠に遺憾であり、厳重に抗議いたします。以下に申し添える通り、本書が〔教団出版局〕によって出版されるに到った経緯を全教団に対して明らかにすると共に、速やかに《販売停止》および《回収》の措置を執られるよう強く要望します。

抗議の理由、及び要望の内容:

1) 本書が想定している読者層は「はじめてキリスト教に触れる人々」であると思われる。神学的解釈等について、一個人が自著において個人的見解を披露することは全く自由なことであるが、〔教団出版局〕が出版する書物において《キリストの神性》や《キリストの復活》といった《信仰告白》の根幹部分について語る場合、しかも、「はじめてキリスト教に触れる人々」が対象である場合、そこには過ちや誤解が無いよう、最大の努力がなされてしかるべきである。そうでなければ、一部の個人の理解や主張する考え方が、あたかも〔教団〕の正式な見解であるかのように流布されることになる。本書においては、著者のきわめて個人的な見解が述べられており、はじめてキリスト教信仰に触れる読者に、誤った知識や理解を与える恐れがきわめて大きいと言わざると得ない。従って、本書が〔教団出版局〕の名によって出版されたことに関して厳重に抗議するものである。

2) 『日本基督教団出版局規定』第1条、「出版局は、日本基督教団(以下教団と称す)の必要とする出版業務を総括担当し、かつ広くキリスト教出版活動に協力する。」に照らして、一個人の主張を喧伝することや、ましてや《日本基督教団信仰告白》が告白する信仰内容に相反するような内容を含む出版物を出版することは、出版局の目的に反していると考える。実際、この書物を見た私自身も、また教会の信徒も、その内容に関して激しい怒りを覚えると共に、深い痛みを覚えている。この痛みは、本書の内容に触れた広範囲の人々に及んでいると聞いていおり、実際、各地でキリスト教書店への抗議や、不買の動きが広がりつつある。「日本基督教団の必要とする出版業務」に関して、〔教団出版局〕がどのような理解を持っているのか、今、改めて問われていることを重く受け止めつつ、販売に到った経緯、ならびに責任の所在が明らかにされるべきである。

3) 本書が〔教団出版局〕から出版される書籍としてふさわしものであるかどうか、責任ある判断が公になされるまで、本書の販売を停止し、無責任な誤解の流布を速やかに止めねばならない。そのために、本書の速やかな回収等、必要な措置を講じるよう要望する。

主の助けと導きとを祈りつつ

2007年2月26日           
日本基督教団 大阪教会   
   牧師 岡村 恒


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