基地の街

2006年9月5日(火)同志社香里高等学校 ショート礼拝奨励

説教時間:約7分……パソコンに取り込んでからゆっくりお読みください。

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聖書:マルコによる福音書 10章42−45節(新共同訳)

  そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。
  「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。

基地の街

  この夏休みの間に、神奈川県にあります、横須賀という街に行くチャンスがありました。東京から南西に電車で1時間くらい、ちょうど京都から大阪に出て行くようなくらいの距離感覚です。湘南とか逗子とか、サザン・オール・スターズの歌に出てきそうな地名がたくさんある町です。
  横須賀には海上自衛隊の基地と、在日米軍の横須賀基地がとなりあっていて、入り江は軍港になっています。
  街の人のふつうの生活のすぐそばに軍隊があって、たとえば、海沿いに建っているダイエーのすぐ隣がドックベイになっていて潜水艦が待機していたりします。
  他にも、潜水艦や巡洋艦、イージス艦もたくさん浮かんでました。米軍基地の突堤の中に日本の自衛艦が停泊していたりして、日本の軍隊とアメリカの軍隊が一体化して動いている様子が、よくわかりました。
  その米軍横須賀基地のとなりに、横須賀学院という学校があります。もともと戦時中は「海軍機関学校」ということで、大日本帝国海軍の仕官を鍛えるための学校だったそうです。このあたりは、同志社香里とちょっと似ていますね。同志社香里も、戦後になってから同志社の学校になりましたけど、その前は、ここは軍人の息子さんたちを鍛えるための学校でしたから。
  で、その横須賀学院に、海軍機関学校時代から建っているという建物が一つだけ残されて、今も使われていました。

軍隊の隣ということ

  パッとみたところ、普通のコンクリートの四角い殺風景な建物なんですが、「たとえば階段を見てください」と言われました。その校舎の階段は、軍艦の中の階段と同じ傾斜と一段一段の幅になっているそうです。
  また「壁を見てください」と言われました。よく見ると、建物の壁がやたらと分厚いんです。うちの学校の校舎の壁なんか、せいぜい分厚さと言ってもこんなもん(15〜20センチくらい)ですね。しかし、その校舎の壁、特に海側の壁は、これくらい(60〜70センチくらい)ありました。しかも中に鉄板が埋め込まれているそうです。
  それはなぜかというと、海のほうから艦砲射撃を受けたときにも耐えられるように、頑丈に作ってある、ということらしいんですね。
  学校のすぐとなりに米軍基地があるというのは、やはり余計な緊張を強いられるようです。
  テニスコートのすぐ横に基地のフェンスが建っていて、ときどきそのフェンスを越えてボールが飛び出してしまったりしまったときでも、取りには行けません。その代わり、年度末にまとめて返しに来てくれたりするそうです。
  9.11のテロの直後は、ものすごい緊張感が基地の中にも高まっていて、陸上部が短距離のスタートで「パンッ!」と雷管一発鳴らしただけで、学校際のフェンスのところに銃を構えたアメリカ兵たちが、ザーッ! と押しかけてきて、かなりあわてたそうです。
  イラク戦争が始まってからは、フェンスを乗り越えて脱走してくる兵士も時々いたそうです。
  また、アメリカの新米の兵士というのは、ほんとうに教育が行き届いてない人もけっこう多くて、まだ日本がアメリカの占領下にあると思い込んでいて、何がしたいのか、日が暮れてからフェンスを越えて学校に忍び込んできたりするような若い新兵もいるそうです。生徒がいつ犯罪に巻き込まれてもおかしくないという状況だそうです。

知ることの大切さ

  ぼくらはそういう緊張感とは縁のないところで暮らしている人間がほとんどだと思いますが、世の中というのは、行くところに行けばそういう危険がある、というのも現実だと思います。
  そういう危険な状況を、ここにいるわれわれも含んだ日本人全体の払っている税金の一部で、「思いやり予算」として支えているというのも事実なので、まるでぼくらも無関係だというわけではありません。ここにいる人たちが払っている税金で一番大きいのは消費税という税金だと思いますが、そんな税金の中からも、こういう体制を支えてしまっているんだということです。
  同じ日本の中で、日々危険と緊張と隣り合わせに生きている人もいるんだ、その体制を支える片棒を自分たちもかつがされているんだ、ということを覚えておくのも、大切なことなんじゃないかなと思います。
  最後にお祈りをいたします。

祈り

  愛する天の御神さま。
  わたしたちが日々、安全に安心して暮らすことができている恵みを心から感謝いたします。
  しかし、世の中には、同じ日本にいても、常に軍隊の不自然な緊張感にさらされている人、あるいは世界を見れば、今日明日無事で生き延びることができるかどうかも分からない人がたくさんいます。
  そのような世界の中で、どうかわたしたちが平和を作り出すことができる人になれますように、お導きください。
  イエス・キリストの名によって祈ります。
  アーメン。

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