四無量心

2007年2月8日(木) 同志社香里中学校 ショート礼拝奨励

説教時間:約7分……パソコンに取り込んでからゆっくりお読みください。

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聖書:ローマの信徒への手紙12章9〜15節 (新共同訳・新約)

  愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。
  怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。
  あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。
  喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。

四無量心とキリスト教

  ぼくはもちろんご存知のとおり、一応キリスト教が専門なんですけど、最近、わかりやすい仏教の入門書がいくつも出てて、結構これにハマっています。キリスト教にも仏教と似ている部分や、合い通じる部分があって、そういうのを比較しながら勉強するのが最近の趣味になっています。
  仏教というのは、宗教というよりは生き方を考える哲学みたいなところがあるんですね。ですから、ぼくのようにクリスチャンであっても、仏教から吸収することはたくさんあると思っています。

  今日は、ひとつの仏教用語を紹介したいと思います。
  これを見てください。
「四無量心(しむりょうしん)」と書いてあります。これは、人の心が成長していく方向性のことを表しています。みんなが自分の心のなかのどういう要素を気をつけてのばしていけばいいか、という課題というか方向が4つあるよ、と言っているわけですね。「無量」というのは「たくさん」という意味があるから、この4つの要素がたくさんになるように心がけなさい、と言ってると思っていいんでしょうね。
  その4つの中身は具体的には、
「慈」「悲」「喜」「捨」だそうです。
  
「慈」というのは、訓読みで読むと「慈しみ(いつくしみ)」ですね。これは人のことを思いやる心です。今日さっき読んだ聖書の箇所でも、「兄弟愛をもって互いに愛し合いなさい」と書いてありますが、人に対して愛情をもって接しなさい、ということですね。みなさん、自分以外の人に対して愛情を持って接していますか? 人のいやがることをわざとしたりして、人をいじめたり苦しめたりしてませんか? そうではなくて、自分以外の人の事を大切に思う心、それがこの「慈」です。
  次の
「悲」というのは「悲しい」という字ですね。これは、人の悲しみを自分の悲しみのように感じ取れる心のことです。人の痛みや苦しみがわからない鈍感な人は困りますね。人が悲しい思いをしているとき、それをきちんと感じ取れる敏感な人になってくださいね。
  その次の
「喜」というのは「喜び」ですが、これは、人の喜びを自分の喜びのように感じていっしょに喜ぶことです。さっきの「悲」とこの「喜」とワンセットにすると、今日読んだ聖書の箇所の最後の言葉になります。
  「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」。これと同じですね。これと逆をやる人がたまにいますよね。人が悲しむと喜んで、人が喜んでると怒り出す人がいるでしょう。そういうのは、仏教的に言えば、人の道からはずれているということになるんでしょうね。
  そして最後に
「捨」です。「捨てる」という文字ですね。これは、感情の起伏を捨てる、ということなんですね。これは若い君らには難しいことかも知れません。盛り上がってなんぼみたいなところも君らにはあるから感情は大事かもしれない。
  でも、たとえば、自分の怒りや憎しみ、ムカツキの気持ちをそのまま人にぶつけたら、とんでもないことになるじゃないですか。そして、そういうネガティブな感情の起伏に振り回されていると、毎日くらしていて自分でも気分が悪いですよね。ですから、そういう感情の上がり下がりから卒業していく事を目指すわけです。それが大人に近づいていく事ではないかなと思います。
  人を大切にし、喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣き、自分の感情にはふりまわされないで生きていく。それも一つの人間の理想のあり方かな、と思います。みなさんはどう思いますか?
  一言お祈りさせてください。

祈り

  愛する天の神さま。
  今日も生かされていることを感謝します。
  私たちが、互いに人を苦しめたり、悲しませたり、失礼なことをしたりするのではなく、お互いのことをていねいに触れ合う事ができるように、良い心を与えてください。
  イエス・キリストの名によって祈ります。
  アーメン。

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