友だちを笑っちゃいけない

2009年12月14日(月) 同志社香里中学校1年生ショート放送礼拝奨励

説教時間:約10分(音声版はありません)

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聖書:ローマの信徒への手紙12章9~10節 (新共同訳・新約)

 愛には偽りがあってはなりません。
 悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。

「笑わせる」「笑われる」

 みなさんの中で、人を笑わせるのが上手な人がいると思います。クラスに必ずそういう人が1人か2人くらいはいるのではないかと思います。また、先生の中にも、人を笑わせるのが得意な方がいらっしゃいます。
 そういう人のことが私は本当に羨ましくてたまりません。私はわざと人を笑わせようとすると、たいてい滑ります。ですから、自分から笑いを取りに行くのは普段から極力やめるようにしています。
 ところで、「笑わせる」ことと「笑われる」ことは違う、とよく言われます。自分では人を笑わせているつもりが、実は単に自分が「笑いもの」にされていただけ、ということは案外よくあることです。
 自分では、まわりの人が自分のことを「面白い人間だ」と思ってくれているんだと思い込んでいますが、実はそれは勘違いで、実は人は自分のことを軽蔑しながら笑っている場合とか、あるいは周りの人間も実は苦笑いで困っている場合もあります。こういうのには気をつけないといけません。
 また反対に、人のことを「笑いもの」にするとか、「物笑い」の種にするとか、本当は大切な事なのに、それを「笑い事」にするといったことはなるべくないようにしたいものだと思います。

夢を抱き続ける

 私は、同志社香里の生徒を見ていて、時々思うのは、「まじめにしなければいけない時に、まじめにできない」という欠点を持っている人が多いということです。
 それは、もちろん授業や礼拝など、当然まじめにするのが当たり前という場面でもそうなのですが、それと同時に私が残念だなあ、と思う事は、たとえば、友だちがまじめに悩んでいることや、真剣に考えている夢などを、笑ってスルーする人が意外と多いということなんです。
 その中でも、特に今日は、夢についての話をしたいと思います。
 私が中1の時に抱いていた夢。それは、アメリカに行って映画監督になることでした。私が中学生のころ『スター・ウォーズ』という映画が日本でも公開されまして、映画を撮るならアメリカだ! と思っていました。アメリカに行って、脚本も自分で書き、監督もし、音楽も自分で作って、世界中に公開して、アカデミー賞を取りたい、脚本のストーリーを小説にして出版もしたい、と思っていました。
 その頃の夢は、全然かなっていないように、皆さんには見えるかも知れません。でも、私は授業の中で自分を表現し、考えたことを伝えることができるし、演劇部の顧問としてお芝居を作ったり、ビデオを作ったりできるし、クワイアの指揮者として音楽にも関わっているし、映画を公開はしていないけれど、本もいくつか出版したので、もちろん中1の時描いていたのと正確に同じではないけれど、なんとなく納得できる形で夢が実現しているような気がします。
 こういうのは、ぼーっとしていても実現できるものではないんで、実はいつもいつも夢の実現について、今自分にできることを考え、実行してきた結果です。もちろん人生には偶然の要素もたくさんあるのですが、その偶然を自分のチャンスとして活かすことができる人は、普段から心の準備ができている人だけです。
 ですから、今中学1年生という、まだ人生始まったばかりのみんなにも、今からでも夢を抱き続けてほしいなと思います。
 私にとって幸せだったのは、私の友だちは誰もぼくの夢を笑わなかったんです。というか、もちろん「この子は笑わへんやろな」と思う人にしか話してなかったんですが、しかし、笑わずに夢を聴いてくれる人が1人でもいたということが、私の幸せだったな、と思います。

夢を笑わない

 中学1年生の聖書の授業で、新島襄の人生をたどっていて、みんな気づいたと思うんですが、新島襄という人は、自分一人の力だけで、あれだけのすごい人生を歩んだわけではないですね。
 函館で出会った福士卯之吉、上海まで送ってくれたキャプテン・セイヴォリー、ボストンまで連れて行ってくれたキャプテン・テイラー、アメリカで父親がわりとして面倒を見てくれたハーディさん。そしてラットランドで新島の涙の演説を聴いて、見知らぬ国に建てる学校のためにたくさんの献金をした人びと……。他にもたくさんの人びとが彼の人生と同志社の創立に関わっていますが、みんな新島の夢を笑いませんでした。
 「今、日本は鎖国している、その日本の掟を破ってでも、たった独りでアメリカに行って、キリスト教と最新の科学を学んで、そして日本を変えてやる!」という、新島の望みに対して、「はははっ! おまえ、何様のつもりやねん」とか「おまえ独りに何ができんねん」と笑った人は、まあ実際にはいたかもしれないけれど、そういう人のことを新島は忘れています。そんな人たちのことはどうでもいいんです。
 大切なのは、今君たち自分一人一人が、自分の夢を描いたり、人の夢を受け止めたりする事です。その夢を笑わずに大事に抱き続けていれば、その夢は、形が多少違っても、必ず叶います。
 どうか、友だちの夢を笑わないでください。
 では、お祈りします。どうぞ、目を閉じてください。そして手を組んでください。それから、お祈りの最後には、ちゃんと「アーメン」と言ってくださいね。それでは祈ります。

祈り

 私たち一人一人に命を与え、この世に送り出してくださった神さま。
 私たちがこうして、同志社香里中学校に集まって、新しい友だちと出会い、いっしょに勉強したり遊んだりしながら、2009年がもうすぐ終わろうとしています。
 どうか今年出会った友だちが、私たち一人一人にとって、大切な心の友となりますように。そのために、私たちが互いに自分以外の人のことを大切に扱うことができるようにさせてください。
 また、私たちがもし仲違いをしている仲間がいましたら、その人と早く仲直りさせてください。そのために自分から謝れる強い心を与えてください。
 イエス・キリストのお名前によって祈ります。
 アーメン。

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