汚れた絆

2010年2月18日(木) 同志社香里中学校1年生 学年礼拝奨励

説教時間:約7分(前後のトークを入れて約11分) お聴きになりたい方は→audio

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聖書:ローマの信徒への手紙7章15節 (新共同訳・新約p.283)

 わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです。

祈りの言葉とは裏腹に

 私はいつも、(忘れなければ)授業の始まりに、黙想をして、お祈りを捧げてから始めていることは、みんな知っていると思います。
 そのお祈りの中でよく神さまにお願いするのが、「自分のことよりも人のことを考える人になれますように」、「人を傷つけることではなく、人に喜んでもらえるような人になれますように」、「もし誰かが痛みや苦しみを抱えているならば、それに気づき、支え合えるような私たちにならせてください」というようなことです。
 しかし、言うは易しで、言葉で言うぶんには簡単ですが、実際に行うのは難しいですね。
 自分の事よりも人のことを考えて、人を傷つけず、人の痛みに気づけるような人になる方がいいというのは否定する人は少ないと思いますけど、実際にぼくらの毎日の生活の中でそれを実行できるのは難しいです。
 たいていは、人が腹を立てたり、嫌がったりするような事をわざと言ったりとか。「やめてー! やめてー!」と言っているのに、あえてその子を拷問にかけるとか。本人が傷つく事がわかっているのに、大勢で無視したり、あるいは、ありもしない悪いウワサを流したり……つまりいわゆる「いじめ」というのは、あちこちに見られるし、自分でそれに加わってしまっている。そういう自覚のある人は多いんじゃないかな、と思います。

自分の望むことは実行できず

 聖書の中にも同じようなことで悩んだ人がいまして、この人の名前をパウロと言います。パウロは、今日読んだ聖書の箇所で、こんなことを言っています。もう一度読みますね。
 
「わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです」(ローマの信徒への手紙7章15節)
 キリスト教の最大の伝道者と言われる聖人パウロでも、こんな事を言っているのですから、我々が、いいとわかっていることをなかなかできず、ちょっと冷静に考えたら分かるような人の迷惑するような行為をやってしまうなんて、そりゃ当たり前やという気がします。

汚れた絆

 人間関係には不思議な法則があって、共通の知り合いの悪口を言い合ったり、一緒に人をいじめるような行為を行ったりしたほうが、人は手っ取り早く仲良くなれます。実に悲しい法則ですけどね。
 これはおそらく、共通の知人を引きずりおろすことで、大して好きではない相手でも、「あんな奴よりあんたのほうがましだよ」と言うメッセージを伝えることができたり、一緒に人をいじめることで、「あいつよりも、あんたの方を大事にしているぜ」というメッセージを発している、あるいは、人をいじめるという後ろめたい秘密を一緒に抱えた者どうしとして、「汚れた絆」が出来上がる、ということなんだろうと思います。
 でも、そういう関係は長くは続きませんし、油断ができません。いつ裏切られるかもわかりませんしね。「汚れた絆」というのは、しょせん「汚れた」ものです。

まずは意識すること

 今日ここでこんな話をしているのは、みなさんの友だち関係が「汚れた絆」つまり共犯者の気分で結ばれていないか、自分で考えて欲しいと思ったからです。
 そして、もし「汚れた絆」で結びついているとしたら、そういう関係は考え直したほうがいいと思います。
 そして、自分が今やっていることが、本当に自分がしたいと思っていることなのだろうか、と考えてみて欲しいです。本当はしたくないけど、人に流されてやってしまった、という事がある場合には、「こんな事、本当はしたくないんだ」という事を強く意識して欲しいと思います。
 いきなり急に自分の行動を変えるのは無理ですが、自分のやっていることの本当の姿をちゃんと見つめておくというのは大事なことなんですよね。それは必ず将来の自分を作るために役立つと思います。
 それでは最後にお祈りを捧げます。目を閉じて、手を組んでください。

祈り

 私たちに命を与え、今日も生かしてくださる神さま。
 今日もこうして学校での1日を始める事ができましたことを感謝いたします。
 私たちがいつも自分以外の人のことを配慮しながら生きることは難しいことですが、やがてはそれができますように、どうかお導きください。
 この祈りを、イエス・キリストの御名によってお聴きください。
 アーメン。

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