『パラサイト』と『万引き家族』

 少し前に『パラサイト』という韓国の映画を観てから、最近は『万引き家族』という日本の映画を観た。似た匂いのする映画だった。

 格差社会の敗北者で、ほとんど廃屋のような住処で貧しい生活を送っている家族が主人公で、みんな下品だが仲は良い。上品ぶった上流階級の人々が仮面の夫婦や親子を演じているのに比べて、はるかに互いに裸の心で一緒に生きている。

 ただ、展開はかなり違っていて、『パラサイト』の方は上流階級の家族に、まさにパラサイトのように入り込んでゆく一種のコメディだが、『万引き家族』は貧しいまま、哀しいままの悲劇だ。そして、「家族」とは何なのかをかなり深く考えさせられる。

 「家族とはこうあるべき」、「家族とはこういうもの」、「社会ではこれが当たり前」という縛りが人の生き方をどんなに窮屈にし、その型に合わせて生きようとして、どこかに無理が生じ、それが暴力を生んでしまう。しかし、主人公たちの「家族」にはそういう暴力が無い。そんな「家族」たちが、社会の型に嵌めようとする暴力に翻弄されてしまう。
 でも、じゃあ本当の家族って何なんだろう? と考えさせられてしまう。「家族、家族」と声高に言うけれども、そうやって人間に無理を強いて、その家族をぶち壊している社会悪、構造悪に目を向けさせられる。

 深く深く考えさせられる映画だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください