『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』篠田桃紅著(幻冬社、2017、Kindle版 ¥471-)

100年間「ひとり」の人として「ひとりで」生きてきた人の独白録。

「人生は一人でも面白い」というサブタイトルに惹かれて読みました。たしかに御歳100歳を超えておられれば、友人でもご存命の方はほとんどおられないでしょうから、そりゃあ独りぼっちですよねぇと頷けるし、しかもこの方、結婚したことがなく、ずっと一人で暮らしておられます。このところ孤独というものを気に病んでいたぼくには、こういう人の本が良いかもしれないと、Kindleでポチリました。

著者は墨と筆を主に用いた美術家です。私は今まで知りませんでしたが、世界的に作品が評価されている方だそうで、しかも100歳を超えた今も意気軒高と作品を生み出し続けておられます。

世界的な芸術家だけあって、経験談やお付き合いされる方々についてのお話も、結構なご身分、随分な富豪の方ばかりですが、本書に登場するあらゆる人物が見事に嫌味がありません。気品のある人には気品のある人が寄せられるのかと思わされます。

力まない。老いを隠さない。綺麗事を言わないが、気品が漂う。肩のこらない自然体。人は人、自分は自分。ひとり立ちした精神がしなやかに生きている姿が読んでいて心地よいのです。

人は何によって救われるのかについて一言二言述べられているのが印象的でした。また、意外にも旧約聖書を引用する一文もあり、非常に深く印象づけられました。クリスチャンであるなしに関わらず、教養として聖書を知っている人は、人としての深みを感じさせられます。

ちなみにこの方、105歳になっても、106歳になっても本を著しておられます。続けて読みたいと思う方です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください