『ノマドランド』(Nomadland)を観ました。

『ノマドランド(Nomadland)』を観ました。
夫と死別し、経済的に破綻した街で教師の仕事も失い、ワンボックスカー1台で旅を始めたノマドの女性の話。季節労働で食い繋ぎながら、車の中で寝泊まりして旅を続ける日々。

その旅先で自分と同じようなノマドたちと出会い、仲間を見つけつつ生きてゆく、困窮したり悲しみに暮れたり絶望したりしながらも、時を経るにつれて主人公はその生活に順応してゆきます。そして、やがてノマドこそが自分の生き方となってゆく姿を、映画は赤裸々に綴ってゆきます。

「先生はホームレスになったの?」と尋ねるかつての教え子に、「ホームレスじゃない、ハウスレスだよ」と告げるシーンが印象的でした。また、行く先々で主人公を迎える美しい景色に、人が生きる世界の広さを感じました。人は「ハウス」という場所を失っても、自分が生きて、出会う人との繋がりを見つけて生きる限り、地球という広い空間と固定的ではない豊かな人間関係を「ホーム」にしてゆけるのだというメッセージが込められているようでした。

多くの生活困窮者を生み出してしまった現代社会の問題を背景にしながらも、それでもなお淡々と生きるノマドたちの姿を見ていて、自分だったらこんな風にミニマムな生き方はできるのだろうか、いつかはこのように家も財産も失う日が来るのだろうか、年老いても働いたり旅を続けることができるのだろうか……などと考えさせられました。

誰もが貧困に陥る可能性がある現代、ノマドは現実的なひとつの生き方としてとてもリアルなものに思えました。とても印象的な映画です。

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