想いは届く

 2020年12月14日(月)・18日(金)) 

 同志社香里中学校・高等学校 ショート礼拝 奨励

 牧師:富田正樹

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 使徒言行録20章34−35節(受けるより与えるほうが幸い) 
(新共同訳)
 



 みなさん、こんにちは。今日は「ノブレス・オブリージュ」というタイトルでお話をしたいと思います。
 「ノブレス・オブリージュ」とは、フランス語で「高貴さは義務を強制する」という意味です。どういうことかというと、「財産、権力、社会的地位のある人は、それが無い人に施す義務が伴いますよ」という、欧米に昔から伝わっている道徳のことです。日本には昔からそういう道徳はありませんでした。
 たくさん儲けた人は、貧しい人に富を再分配しなければならない。それをしない者は罪人であり、それができない者は、貧しい者に命を奪われても文句は言えない。
 だから自分の身を守るためにも、お金持ちは貧しい人に施す。そういう道徳が身についているので、欧米キリスト教社会では、お金持ちが寄付をすることが当たり前になっています。
 例えば、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツという人は有名ですよね。Windowsはこの人が作り、WordもExcelもPowerpointも、世界中の人が使ってます。もちろん億万長者です。
 では、この人が今、取り組んでいることは何か? それは例えば、
 「アフリカにトイレを送る」。発展途上国の中には、下水道が完備されていないために、街や川に排泄物が溢れて、多くの人が病気で死んでいます。その命を助けるために、水をリサイクルし、肥料も作り出す、超ハイテクのトイレを開発して設置する活動に取り組んでいます。
 次、「小型で安全な原発を作る」。今、気候変動のために、このままだと人類は滅亡すると言われています。それを止めるにはCO2の排出を止めないといけない。じゃあ、どうやってエネルギーを生み出すのか。彼が取り組んでいるのは、絶対に放射線が漏れないような原子力発電所。日本にたくさんある放射線ダダ漏れの旧式の原発ではなくて、最新型の小型原発の開発です。
 そして今、彼はコロナ・ワクチンが世界の国々……富んでいる国にも貧しい国にも公平に行き渡るために働いています。そのために彼が投入しているお金は、日本の国家が出しているお金よりも多いんですね。
 あるいは、ジェフ・ベゾスという人をみなさんご存じですかね? ビル・ゲイツほど日本では顔を知っていう人は少ないんじゃないかと思いますが、アマゾンの創業者で最高経営責任者です。みなさんアマゾンでお買い物をすることも結構あるんじゃないかと思います。
 この人も……去年、気候変動の対策のために1兆1000億円ほど寄付しています。これはこの人の持っている財産のほんの一部です。でも、実はこの人、去年の1月に、オーストラリアでかなりひどい森林火災がありましたけど、それに対する支援のために、7000万円ほど寄付してたんですね。けれども、それが「少なすぎるやないか。あんた14兆円も資産持ってるのに、そんな微々たる金額を寄付して何やってるんですか」と批判されたんですね。でも今回は1兆円も寄付したと。
 これはあくまで一部の例で、多くの欧米の資産家は、そうやって多額の寄付や奉仕活動をするのが当たり前、しなかったら逆に批判される血ような文化があります。
 ただ、何事にも例外というのはあります。例えばこの方ですね、スティーブ・ジョブズ、Apple Watch、iPhone、iPad、Macなどを生み出したアップルの創業者ですけれども、この方は、そういうことには全然興味は無かったそうです。
 また、日本でも、お金持ちは寄付や奉仕をするものだ、という考え方の人は非常に少ないです。「自分が儲けたお金は、自分が努力して稼いだものなんだから、他の誰にもやる必要はない」と考える人が多いです。
 でもね……
 例えば、同志社という学校が始まったのは、アメリカのクリスチャンたちの献金のおかげですよね?
 そして、もうすぐ新島襄先生の命日の1月23日ですけれども、新島先生が亡くなったのは、同志社大学を設立するための、寄付を集める旅の途中だったということも、みんな授業で習うはずです。
 ですから、同志社の私たちは、自分が受けたものは、弱い立場の人、貧しい者に再分配する、ということを知っているはずなんです。
 聖書に書いてある「受けるよりは与える方が幸いである」というのは、そういうことです。
 この聖書の言葉に込められた心を抱いて、皆さん、どうかお金持ちになってください。そのお金を有効に使えば、この世はもっと誰にとっても住みやすい、生きやすい場所に変えてゆくことができます。
 「ノブレス・オブリージュ」を実行できる人を目指しましょう。
 





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